地方に仕事はあるのか?第四弾


地方に仕事はあるのか

移住を考えたときに、真っ先に気になること。そう、仕事をどうするか。
名古屋や広島、福岡など、都市部に引っ越しするならば、まだ仕事は見つけやすいでしょう。しかし中山間地になればなるほど、仕事は限られてきます。
これは田舎暮らしにあこがれる人にとって、またはもともと田舎に住んでいた人にとって避けては通れないテーマです。できるだけ自然の豊かな場所に住みたいのに、その土地に雇用がないから、都市部に行かざるをえない。
しかし近年、長引く不況や東日本大震災の影響で、いかに生きるかという価値が変わってきているのは明らかです。一極集中型の社会のあり方に疑問を感じ、地方に活動の拠点を移す人。そしてそこでの暮らし方を模索している人は確実に増えていると思います。かくいう僕もその一人といっていいでしょう。

また仕事のない田舎に仕事をつくる、という動きも最近注目されていて、事業を起こすことにより地域社会に変革を起そうとしている人たちがいます。そういう人たちのことを社会起業家と呼んでいます。一筋縄にはいかないことだと思いますが、強いリーダーシップを発揮して、地域に仕事をもたらしていく。仕事をもたらすことができれば、すなわちそこに人が集まってきます。そうすることで限界集落から脱出した地域が実際にあるわけです。この動きはこれから先ますます活発になり、社会起業家がより求められる時代になっていくと僕は考えています。

僕が移住相談ブースやセミナーに足を運んで、いろんな地域の担当者の方とお話しをした結果、いくつか見えてきたことがあります。それは以下の内容です。

・地方の行政が紹介できる仕事はごく限られている
・グループホームや老人介護施設など、老人福祉施設での働き口はけっこうある
・移住前の自分のキャリアを活かせる仕事を探す
・移住先の土地から一番近い都市部で仕事を探す

なにをいまさらと言われそうですね。でも、実際に現場の人から話を聞くとやはり説得力があります。ミョ〜に納得してしまいます。どの移住相談ブースの人に話を訊いても、雇用の話は泣き所です。もちろん地元企業の求人を収集し、移住希望者とのマッチングを図る県もありますが、都市部のように希望する職種の求人がありますよと胸を張って言える地域は、ほとんどないのではないでしょうか。

上に挙げたように、老人福祉施設はたくさんあるので介護士の仕事はありますとか、職種は限定的になるはずです。ある町の役場の方が言っていました。「うちに来る人は、なぜか奥さんが介護士の資格をもっている人が非常に多い」と。これは“なぜか”ではなく、移住を決めたときからその実現のために資格を取り、移住してくる人が多いということだと思います。目標達成のために、自分の仕事を地域の雇用にアジャストするという考え方です。
逆にいままでの仕事のキャリアをそのまま活かすことができれば、これはベストです。環境が変わるだけで、自分の慣れ親しんだ仕事ができるのですから、新天地での生活がスムーズにスタートできるでしょう。ただこれについても職種が限定的であるのは否めません。いずれにしろ、移住先での仕事は移住者本人の決断に大きく委ねられています。これは自覚しなくてはなりません。
最後に、移住先の土地から一番近い都市部で仕事を探すということについて。これもまた、当たり前だと言われてしまいそうですね。しかしこの話を聞くまで、僕は移住先で仕事を見つけるということをすごく狭い範囲で考えていました。だから、一番近い都市部で働くという考え方に全く頭が働いていませんでした。

日本で一番人口の少ない“町”である山梨県早川町という場所に移住した方のことをお話します。
「山の中にある小さな町から甲府市まで車で片道50kmかけて仕事に行くという選択肢があります」とその人はいいました。50kmというのはびっくりする距離です。東京で考えたら、青梅市から新宿までで、約46kmくらい。車でざっと2時間は掛かる距離です。しかし、恥ずかしながら都市部と地方では同じ時間で走れる距離が全く違うということを、僕はその時認識しました。早川町から甲府市まで車を使った場合、1時間以内にアクセスできるそうです。

地方に移住する前に、まずどんな暮らしがしたいのか。それを明確にすることで、仕事の方向性が見えてくる気がします。そして移住者自身が具体的に仕事の準備を進めていくことが大切です。



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