地域おこし協力隊に応募してみた


那須岳から吹き降ろす風「那須おろし」がとても寒い2月の那須

思い通りにいかなかった家探し

那須町へ引越しするまで、あと少し。
住まい探しは今も引き続き続けている。本来なら引っ越し前に僕たちが欲しい家、いわゆる自分たちで改修できる古い空き家が見つかっていて欲しかった。
でもどうやらすぐには見つかりそうもない。理想的な空き家はおそらくたくさんあるのだが、他人に貸したことがない地元の人が、家を空き家バンクに登録したがらないということもあるかもしれない。
だからまず那須に住み、人との出会いの中から地道に貸し手を見つけるしかないと思っている。それまでの間は町のマンションや安い戸建てを借りるという形だ。
仮住まいの家で自給的な暮らしや家をリノベーションすることはできない。だから思い描いた里山暮らしではない。

だけどこういうときは、プラス思考で考えてみたい。
那須は町なかに美味しいパン屋やおしゃれなカフェなどがある。新しく住む町だし、それはそれで楽しい。また那須の冬はとにかく寒いので、空き家にいきなり住むのではなく、通いながら改修できたほうが身体的負担が少なく、逆にいいのかもしれない。そう思えてきた。

那須に引越した後、仕事は自宅でWEBデザインをしていく。少しずつ地元にお客さんを作っていくことが大切だと思っているが、まずはクラウドソーシングで稼いでいくしかない。でも、月々の収入は不安定なので、他にバイトをする必要がありそうだ。個人的にホームセンターか造園の仕事が面白そうだと思っている。

そのような感じで新しい生活環境を楽しみながら、少しずつ自分が本来やりたかったことの比率を増やしていけたらな、と思った。
住まいが一生をかけて支払っていくほどの高い買い物である必要はない、と震災ボランティアで石巻の惨状を見たときにはっきりと悟った。それから家をDIYするという価値に発展し、いまに至る。

「地方移住大作戦」という活動を始めてから、地方を元気にする活動をしているたくさんの人たちに出会ってきた。都市と農村をつなげるNPO法人で広報活動をした経験など、刺激を受けたことはたくさんある。
そうした経験を那須のために生かす活動がしたい、それが生業になるなら尚いいと思っていた。そして最近、ヨメさんがある情報を教えてくれた。

突然訪れた協力隊募集の機会

「那須町が地域おこし協力隊の募集やってるよ」

那須町は昨年の夏に地域おこし協力隊の募集をして2名が着任、12月にさらに2名増えて、現在4名の協力隊員が活動している。募集する隊員の役割はその都度ちがうが、今回は那須湯本という温泉街の振興に1名、そして自転車振興に2名の合計3名の隊員を募集している。

那須の冬は寒さが厳しい。それでもありのままに広がる大地が美しいと感じる。

「自転車振興が向いてるんじゃない?」とヨメさんに言われて、「確かに」と思った。
那須に移住したらそのうちオンロードバイクを買って、里山を走りたいと思っていたし、那須町全域を活動範囲とする自転車振興にも興味があった。SNSでの情報発信、広報誌での執筆など、自分の経験を活かすこともできる。

昨年の地域おこし協力隊募集のときは、応募するという頭が自分の中になかった。なぜなら、地域の活動をする前にまず自分たちの暮らしを作ることを優先したいと思っていたし、家を見つけてDIYすることばかり考えていた。

古民家カフェで暖まる冬もまた楽しい

今年の募集はちょうど引越しをする4月に仕事が始まる。タイミングはぴったり。
しかしWEBデザインの仕事は受けられなくなるし、しばらく自分自身の活動を横に置いて、地域のために力を注いでいくことになる。
地域おこし協力隊がどの地域でもうまくいっているわけではないというネガティブな話も耳にする。行政と住民との間で、地域おこし協力隊に求めていることに乖離があり、地域のために頑張ろうとしている隊員が宙ぶらりんになるケースがあると聞く。

それでも最終的には、やるだけやってみようという結論になった。もともと地域のためになる活動をしてみたいと思っていたし、ホームセンターの仕事よりも自分の企画を形にしていくことができる仕事なのかもしれない。計画していた順番が変わるだけだ。

しかも、決して多いとはいえないが、収入も安定する。地域おこし協力隊は総務省の制度で全国どこでもほぼ同じなのだが、収入は毎月16.5万円。東京の生活と比較したら考えられないような低い額だ。
しかし、それとは別に月の家賃は最大5万円まで支給される。黒磯駅周辺の古いマンションなら、2LDKで3万円台から賃貸があるから、家賃の支出ゼロの生活も現実的だ。また、活動に必要な車も1台支給されるので、夫婦でいきなり1台ずつ車をもつことができる。1人1台は田舎では必須だから、本当に助かるし、自分にとってはいいことだらけなのだ。

というわけで、那須町が募集する春からの地域おこし協力隊に、応募してみることにした。
もし、現在までに理想の空き家が見つかっていたら、応募していなかったかもしれない。
理想の家づくりを優先していたと思うし、地域のことに携わっていくのはもっと先のことと思っていたと思う。

2月中旬、応募の前に、現地で那須町役場ふるさと定住課が開く、事前説明会に参加した。
参加者は自転車振興を希望する人ばかり、総勢10名いた。2名募集だから、仮にすべての人が申し込みしたとすると、倍率5倍だ。2月下旬には面接がある。

受かるかどうかは、当たり前だけど全く分からない。
合否結果は3月初旬には出るのだろう。
そして4月には仕事を始めることになる。



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