生き方・働き方から地方を選ぶ。

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ここ最近、トークショーやシンポジウム、ワールドカフェなど、さまざまなイベントに足を運んでいます。
「これからいかに生きるか いかに働くか」というテーマで、いろんな人の話を聞いてみたい。このテーマに関心のある人と繋がっていきたいと思っているからです。

日本はいま少子高齢化などの社会的課題に、20年以上も続く経済の停滞と震災や原発問題が重層的に影を落としています。経済一辺倒の社会の限界がみえはじめ、戦後からずっと続いてきたいままでの雇用形態は、もはや生活の安定をもたらしてくれそうもありません。先のみえない世の中への不満を並べたてるのではなく、そろそろ自分で自分の生き方を舵取りしなければ、幸せな人生を送れない気がします。全国的にネットインフラが整い、ソーシャルメディアの発達したいまの社会なら、都市部に固執しなくても地方での生き方や働き方の間口を大きく押し広げてくれるのではないか。そう思っています。

僕の活動の出発点は、僕と家族の移住計画でした。そこを出発点として地域活性化などをテーマとして追うようになり、いろんな方とお会いしてお話しするうちに、自分自身に考え方の変化が生まれてきました。
僕が求めているのは、移住という個人的な目標そのものを達成することではない。これからいかに生きるかを考えるなかで、地方で暮らすという選択肢があるということ。その可能性を追求するなかでいろんな活動や人と繋がり、その関係性から自分の未来の生き方がみえてくるのではないか。そう考えるようになりました。

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単に移住というキーワードを取り出してみると、取るべき行動はとてもシンプルです。
移住候補地を探し、各自治体の相談会で話を聞き、現地に足を運ぶ。取り組み方に個人差はあっても、大まかにはこれらのステップを踏めば移住の準備は整ってくるわけです。
僕も去年から今年にかけて、都内で開かれる移住・交流フェアのセミナーや相談窓口で話を聞きました。それは確かに移住を希望する人にとって有意義なものであるのは間違いありません。しかし、僕はどうしてもそれだけの要素で具体的な移住へのアクションを取ることができずにいます。もちろん、最初からじっくりと地方を探すと決めていたのですが、このアプローチからでは、数年経っても移住を決めあぐねていると思います。

僕は田舎の自然環境が大好きです。大好きですが、のんびりと田舎暮らしをするために移住するのではないということ。都会での暮らしがイヤになったから田舎に引っ込みたいわけではなく、むしろ東京は好きです。地方と東京での暮らしという二択で考えるなら、どちらにも異なるメリットがあり、気持ちの上ではかなり拮抗しています。

地方へ移住する際に壁となるのが、働き口の問題です。新規就農など、第一次産業を目指す人なら話はシンプルだと思いますが、そうではないとすれば、相談窓口で紹介されるのは、地域の求人リストです。どんなに自然豊かで子育て環境として優れていても、自分の慣れ親しんだ仕事から離れて、40過ぎてから未経験者の立場で、東京の半分近い収入の地方企業に雇用されるという道筋には、正直前向きな気持ちがもてません。
僕が目指しているのは、ざっくりいえば地域に雇用されない働き方です。仕事は与えられるのではなく、自分でつくるということ。そして地域社会を元気にする活動に携わる生き方です。ときには地方と都市部を往来しながら、住まいのベースは地方に構える。そんな欲張りなことを考えているのですが、いまの時代、ソーシャルメディアの力を借りて自分が発信者となって頑張れば、不可能ではないと思います。

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また、地方に移住したクリエイターの方や耕作放棄地の再生をしている方など、外から来た人たちが経験として話していることがあります。それは、収入の有無もふくめて地方には東京では仕事にならない多様な仕事があり、専業ではなく複数の仕事をもつ“百商”という考え方があるのだそうです。農家の百姓ではなく、百の商いをもつという考え方です。
それらの仕事を組み合わせることで、生活していく。ひとつひとつの仕事は小さいけれど、どれかひとつがなくなっても、他の仕事で食いつないでいく。なにより仕事が生活と密着していることなので、ストレスも少ない。これは東京でひとつの企業で働いているより、よっぽどリスクヘッジしていると思いませんか?

多様な働き方や生き方があるなか、いま僕がやっていくべきことは、移住先を絞っていくことではなく、すぐに明確な答えの出ない生き方や働き方というものに対して、まずできるだけボールを投げてみるということだと思います。もっといえば、人との出会いです。人やさまざまな活動とのご縁のなかから、自分の移住先が決まってくるような気がしています。


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