田舎で仕事をするためのヒントとは?


IMG_4314-001

地方に仕事はあるのか。
これに関しては以前にもちょこちょこと書いていたし、地方への移住を考える上でとっても重要なテーマであるのは間違いのないところ。

地方に引っ越しをして、都会では得られなかった生活を作っていきたい。そう考えている人であれば、都会にいた時と同じだけの収入を稼ぐという発想の人は、そう多くはないはず。それでも家族で移住するなら、最低限養っていくだけの収入が必要です。
新規就農など、地方にしっかりと受け皿のある仕事を目指すなら、必要なステップを踏むことで実現していく道筋を立てやすいでしょう。

そうでないとすれば、当然地方の少ない雇用条件の中から仕事を探すことになります。介護老人福祉施設の職員など、農村部でも比較的多い職種をあたるのも手ですし、住む場所から一番近い都市部に出て働くという手もあるでしょう。

しかし、職種や収入の条件面から仕事を探していくと、ともすれば田舎に住みたいと思った最初の動機を見失ってしまいがち。本来、何がしたくて都市部から田舎に移住したいと思ったのか。地方に用意されている雇用状況から生活環境を絞ってしまうと、想い描いた生活とかけ離れてしまう可能性もあるかもしれません。

都市と田舎を往来しながら生活する二地域居住や地方都市で暮らすなら話は別ですが、過疎高齢化が進む、いわゆる農村への完全な移住を目指す場合にはどうすべきなのか。

IMG_4455

僕は生活することと働くことを、できるだけ切り離さない発想がポイントだという気がします。なぜなら農村の生活環境というのは、この2つが都市部に比べて密接であると思うからです。
そしてこのテーマについて考えるとき、京都でお会いした伊藤洋志さんのことが頭に浮かびます。伊藤さんは著書「ナリワイをつくる ー人生を盗まれない働き方ー」のなかで、地方で暮らすことに対してひとつの示唆を与えてくれました。生活を犠牲にしてやるのが仕事という定義のなかで、多くの時間を仕事に占拠されてしまっていいのか、という伊藤さんの問いに、大きな刺激を受けたのです。
そしてひとつの専業で30万円を稼ぐより、3万円の仕事を10種類持ち、それを組み合わせながら暮らす生活のほうが、これからの時代はリスクヘッジになるのではないかという提言。多少観念的ではあるものの、田舎で生活を組み立てていくときのヒントになるという気がします。

僕が以前あるイベントで名刺交換をした先輩移住者の名刺には、さまざまな肩書きが記されていました。「民宿経営、蕎麦屋、家庭教師、NPO法人の理事、パソコンのサポート、無農薬野菜の生産販売、、、」。当然、これだけの数の仕事すべてを現場の中心になって一度にこなすのは難しいはずです。恐らく職種によって関わり方を調整しながら、繁忙期や就労時間の違う仕事を年間でバランスよく組み合わせて生計を立てているのだと思います。

IMG_3534

“ほしい未来”をつくるためのヒントを共有するウェブマガジン、「greenz.jp」の副編集長、小野さんとお話ししたときの言葉も印象的でした。
「実は(ニーズとして)田舎に仕事はたくさんあります。その受け皿となるサービスがないんです」
そうした田舎のニーズは、自分で手を挙げさえすれば仕事になる。その対価は、もしかしたら米や野菜かもしれません。しかしお金にならないものをお金に換えていく発想の転換が、外から来た人の知恵であり、役割になっていくという気もします。事実、田舎の人が移住者に期待するのは、起業をして地域を元気にしてくれる若い人材。それができれば、仕事はもはや単なる仕事ではなく、やりがいのある生活の一部となるのです。

僕がいまPVプロボノを通じてご縁のある「NPO法人えがおつなげて」の曽根原さんは、ご自身の著書「日本の田舎は宝の山 農村起業のすすめ」の中で、移住した山梨県北杜市の農村で、課題解決型の仕事を地道にこなしてきたことについて触れています。
たとえば荒れ放題になっている山の地権者と交渉し、木を伐採する変わりに切った薪をタダでもらいます。そうして集めた薪を、今度は薪ストーブを利用する広大な別荘地の住民に販売。この仕事はとてもニーズがあったそうです。曽根原さんは耕作放棄地の再生と同様、山を健全な状態に保つ手助けをし、さらに地権者や薪の売り手と買い手みんながハッピーになるサービスを農村に作ったのです。
地域の人に喜ばれることは何か。すぐにお金にはならなくても、常にこの発想が頭にあるだけで農村でのビジネスチャンスが開けるかもしれません。

IMG_4065

地域にいるからこそできる仕事がある一方で、ネットインフラが発達した現在ならば、都市部と繋がりながら仕事をする可能性も大きく開けてきているようです。最近よく耳にするのはクリエイターやアーティストの地方への移住です。フリーのWEBデザイナーやソフトウェアエンジニア、映像クリエイター、あるいは写真家やミュージシャンなど、専門性のある仕事をもった人は必ずしも東京などの都市部にいなくても仕事を受けたり、作ったりしていくことが可能です。PCを使う仕事ならば、データ納品などネット上で仕事を完結することができますし、簡単な打ち合わせなら都市部に出向かなくてもネットで済ませることができます。

僕の場合は本業がライターなので、ライターとして地方で仕事を受けられる状況を作っていきたいところですが、今受けている仕事は東京にいなければ成り立ちません。その道のりは険しいといえるでしょう。それならばと、最近ヨメさんの提案もあって、今更ながらWEBのコーディングの勉強を始めようかと思っています。コーディングは15年くらい前に勉強をした経験があるのですが、途中でつまずき、そのままになってしまいました。だから完全にウラシマ状態でのスタートです。
それでも、ヨメさんがグラフィックデザイナーをやっていることもあり、コーディングをマスターすれば連携してWEBデザインの仕事を受けられる可能性があります。それがたとえうまくいかなかったとしても、やって無駄になる知識ではありません。もし地方で同様のことを実践されている方がいたら、ぜひアドバイスをいただきたいです!

田舎のニーズから仕事を作り出すことと、都市部からの仕事を組み合わせ、なんとか生計を立てていくことはできないか。そんなことを最近考えています。移住先を見つけることと同様、あせらずにじっくりと取り組めば道は開けるはずです。



あわせて読みたい