古民家リフォームが結ぶ地元と移住者のWIN WINな関係。奥矢作森林塾


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先週の1月19日、僕は岐阜県恵那市の、ある場所を訪ねました。
「NPO法人 奥矢作森林塾」。
明智鉄道という1両編成の登山鉄道に揺られて約50分、終点の「明智」駅で出迎えてくれたのは「NPO法人 奥矢作森林塾」の理事長である大島さん。駅前から大島さんの車に同乗させていただき、上矢作・串原地区に向かいました。上矢作地区や串原地区は恵那市南部にある中山間地で、愛知県豊田市と隣接し、一級河川である矢作川の源流が流れる県境の地域です。

この地域で活動する「NPO法人 奥矢作森林塾」は過疎高齢化により増え続ける空き家への対策や、里山体験など毎週さまざまなイベントを開催。地元の人と外からの人とが交流し、定住者の促進を目指した取り組みをしています。里山体験イベントでは作物の作り方から、ストーブの薪を切る際のチェーンソーの使い方、山に入って切る木と残す木を選ぶ講習など、実践的なものばかり。それこそ田舎で自活的に生きていく術を、いろはの“い”から教えてくれるのです。それ以外にも夏には矢作川で釣れた鮎を訪れた方にふるまったりと、都会ではなかなか経験できない田舎の良さを1年を通じて体験することができます。この日はちょうど正月飾りをお炊き上げする“どんど焼き”が近くの田んぼで開催されるというので、自分も昨年の破魔矢を持参、地元の方に混ざって参加させてもらうことにしました。

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また奥矢作森林塾のユニークな活動といえば、空き家問題に対しての独自の対策。地元の大工さんから家の改修を教わりながら空き家を住める家にリフォームする、古民家リフォーム塾を開催しています。この日大島さんにお話しを伺ったのは、この古民家リフォーム塾で修復された古民家第一号の建物で、参加者が寝泊まりしたり、地元のコミュニティ施設となっている“結の炭家(ゆいのすみか)”。釜戸や薪ストーブがある昔ながらの古民家です。こうした古民家を再生するリフォーム塾の基本コンセプトは「移住者がお金を使わずに次の生活に移っていけること」。そして「自分で自分の家を修復する技術を身につけること」。

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この考えに賛同し、遠方からもリフォームの仕方を学びに毎回20人ほどのボランティアが集まります。そして入居が決まった空き家を、地元の人と参加者が一緒になって “やろまいか!(やりましょう!)”の精神でどんどん改修、床や畳をはがして床板を張り直したり囲炉裏を作ったり。そうしてリフォームが完成した古民家はリフォーム塾参加者にも大人気。
「次は自分の家をリフォームしたい」と、まだ手つかずの空き家物件を見つけて、自分たちでリフォームをして入居するという行動に繋げているのです。地元にとっては空き家が減り、リフォーム塾参加者にとっては勉強しながらお金をほとんど掛けることなく古民家をリフォームできる、WIN WINの仕組みづくり。平成20年に大島さんを中心に調査をおこない明らかになった160戸の空き家のうち、現在までに7戸がリフォーム入居済み、23人の新たな移住者を迎え入れています。

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「ボクらはね、この上矢作・串原地区の(大幅な)人口増加なんていうのは望んでないんです。人が減り続けているのは日本国中の中山間地が抱えている問題ですから、とても難しい。われわれが目指しているのは、田舎の空き家をゼロにしようというのが目的なんです」と大島さん。地元の人と移住者が一緒になって空き家のないコミュニティを作り、上矢作・串原地区、そして恵那市を活性化させたい。
その思いが実現する日はそう遠くないと思います。

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最後に田舎暮らしと古民家の醍醐味を大島さんから聞くことができました。
「いちばん魅力があるのは、一軒だけぽつーんと離れた場所にあるような家。チェーンソーでバンバン木を切ろうが、大きい音で楽器を演奏しようが、隣に音が聞こえないようなところがいいんですよ。大勢の客を呼んで囲炉裏を囲んで酒でも飲みながら大騒ぎしたり、夏には子供たちを呼んで花火を打ち上げたり、キャンプファイヤーをやったり。そんなことがしたくて移住する人が多いんです。だって、すぐ隣に家があったら東京や名古屋にいるのと一緒でしょ」



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