セトゲイで小豆島に行ってきた。


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4月15日〜18日の4日間、僕は瀬戸内海の島々を舞台に開催された「瀬戸内国際芸術祭」に行ってきました。
“セトゲイ”と呼ばれているこの芸術祭は3年に一度開催されるアートトリエンナーレで、今年で2回目。前回の2010年と大きく変わった点は、開催される島々の数が7島から12島に増え、年に春夏秋の3回開催されることです。僕はその最初である春開期が終わる4月21日の前にすべり込みで行ってきました。

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日本全国の里山がそうであるように、日本全国の島々も少子高齢化の波がはっきりとした形で押し寄せています。瀬戸内海に浮かぶ島々も人口減少が進んでいて、このままではそう遠くない未来に無人島になってしまう島も出てくるでしょう。セトゲイは島の元気と海の復権をめざし、アートが橋渡しとなって地域を活性化するイベントです。特徴的なのは島の自然環境や古い空き家、蔵などを作品の一部として扱いながら、地域の風土を伝える作品が多く点在していること。それぞれの島によって微妙に異なる島と人が営んできた固有性を作品のモチーフとすることで、人が生きるということの普遍的なテーマについて考えされられます。
そもそも瀬戸内の美しい海を見渡すなんにもない島で自転車を走らせたり歩いたりしながら、島のおじちゃんに道を訪ねたり、おばちゃん手作りの島料理を食べたりすること自体、旅としてすごく刺激的であり、これからのツーリズムの方向性を指し示していると思うのです。

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そんなわけで、僕はセトゲイに遊びに来るのを楽しみにしていました。
片道12,000円という格安航空券で羽田空港から高松空港に降り立ち、香川県の海の玄関口、高松港までリムジンバスで約50分。フェリーで最初に向かったのは香川県の小豆島です。小豆島は瀬戸内海でも淡路島に次ぐ2番目の大きさで人口は約3万人。最近では映画「八日目の蝉」の舞台としても知られています。香川県内への移住先としては最も人気があり、昨年2012年の転入人口は若い世代を中心に約120名の移住者が島にやってきました。実は自分も移住候補地として小豆島は気になっています。オリーブや醤油、素麺などが主な産業としてあり、地元の人と移住者のコミュニティもある。高松港へのフェリーも1日に30便以上就航していて、島生活の利便性ではもっとも現実的なのではないでしょうか。個人的には寒霞渓という瀬戸内の島で一番高い山や中山集落の棚田など、島でありながら里山の生活環境であることも大きなポイントだと思っています。

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さて、香川県と岡山県へ頻繁にフェリーが就航している小豆島の港、土庄港(とのしょうこう)へと到着し、セトゲイ最初の作品チェ・ジェンファ作「太陽の贈り物」の前でパシャリ。島の名産オリーブの葉を組んで金の王冠の形に仕立てた彫刻作品です。初日の宿は土庄港から歩いて5分の場所にある、素泊まり1泊3,500円の格安ビジネスホテル。まだチェックインの時間には早いので、そのまま島の路線バスに乗り込み、作品を観にいくことにしました。芸術祭のために新設された路線を含めた6路線のうちのひとつ、大鐸線(おおぬでせん)に乗り、肥土山・中山集落を目指します。この島を訪れた人はたいてい想像よりも大きいと感じるそう。港を出発したバスは田舎道を山のほうへと緩やかに上がっていきます。そして目的地の最寄りバス停「常盤橋」で降りた場所はところどころ岩が露出した山々に囲まれた農村でした。「瀬戸内国大芸術祭」と書かれたノボリ旗の先には案内板が設置されていて、作品の場所を案内しています。最初に古い蔵の中を作品にした「うみのうつわ」、そして約200年前に築かれたとされる石垣に道祖神や陶の作品を展示した「猪鹿垣の島」などを散策しながら観てまわり、最後に一番の目的だった台湾の作家ワン・ウェンチー作「小豆島の光」にたどり着きます。すべて小豆島の竹を使い、曲線形に編まれた巨大な建造物は、材質の暖かみが棚田を望む集落の自然に溶け込んでいるようでもあり、突如現れた異質な物体のようでもあり。夜になると室内から七色の光を放ち、ますます幻想的な雰囲気になります。

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高松港を出てからまだ何も食べていなかったので、日本の棚田百選に選ばれている中山の千枚田と「小豆島の光」を見下ろしながら食事ができる「こまめ食堂」で遅めの昼食をとることにしました。棚田のおにぎり定食を注文して棚田米や地元で採れた山菜、魚を食べ始めたのはよかったけれど、ここで誤算。お店の前にある停留所にあと15分でバスが来るではないか。これを逃すと次のバスは50分後。次の予定を考えると、なんとかこのバスに乗りたかったのですが、贅沢な定食は意外に量が多く、バスの到着までに食べ終わるのが困難であることが判明。旨い定食とは裏腹に、無情にもバスは目の前を走り去っていきました。

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小豆島のセトゲイ作品は、それぞれが結構離れた場所にあるので、徒歩での来島者にはバスの時間が命。一本逃すと次の作品場所にアクセスするのにとても時間が掛かってしまうのが難点です。事実、この日僕は肥土山・中山集落から坂手港周辺のヤノベケンジやビートたけしの作品を観に行きたかったのですが、バスの乗り継ぎをへマしたおかけで閉館時間の17:00までに現地に到着することができず、断念して土庄港に引き返してきました。まぁ、自分の計画性のなさが原因なのですが。。旅はアクセクしたってしょうがない。状況にまかせてのんびり行きましょと、自分を納得させて、初日の宿での一泊です。

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