豊島に行ってきた。


IMG_3386-001

小豆島の土庄港をフェリーで出発し30分、豊島(てしま)の唐櫃港(からとこう)に向かいました。豊島は人口約1000人、実は小豆島の土庄町に含まれている島です。
フェリーが港に着くと、船首と船尾どちらからも乗降できる構造のため、その都度変わる出口に戸惑い、唐櫃港を出発するギリギリで飛び降りるハメに。降りたのは自分を含め、たったの2名。船が島の反対側にあるもうひとつの港、家浦に向けてけたたましいエンジン音とともにグングン遠ざかっていき、あっという間に静かな波が打ち寄せる島の時間に戻ります。

IMG_3463-001

港には瀬戸内国際芸術祭のノボリ旗が立てられた小屋がひとつ、島民の方と思われるオジさんが2人と、一緒に船を降りた女の子がひとり。なんとものどかな風景です。
春にもかかわらず、瀬戸内の日差しがさんさんと降り注いでいて、それはそれで心地よいのですが、頭が若干ぼーっとしてきます。島の人はみな顔が真っ黒に日焼けしていて、すぐに島の人だと分かります。
さっそく小屋でオジさんに挨拶、豊島の作品の場所やアクセスについて確認すると、なんと今日は豊島の作品がほとんどお休みの日!セトゲイの会期中は1週間に1日ずつ持ち回りで島の作品開場がお休みになるのですが、この日火曜日は豊島が休みの日だったことにあとから気がつきました。そうか、だからフェリーから港に降りる人が少なかったのかー。

唐櫃港周辺にあるボルタンスキーの作品をあきらめ、自分の乗ったフェリーが次に向かって行った家浦港へと陸から向かうことにしました。バスの時間まで40分くらいあったので、いっそのこと気持ちよく自転車で行こうと思ったら、島のおじちゃんがひとこと「ここは電動がないけん、自転車は大変だが〜」と言われる始末。結局バスを待つことにしました。イヤハヤ。

DSCN2205-001

自分が今日宿泊する岡の上の集落を通りすぎ、バスが島の反対側へ下っていくと、家浦の集落が見えてきました。
家浦は豊島でもっとも賑わっている港町で、夏会期に向けて建設中の「豊島横尾館」など、黒塀の家屋が立ち並ぶ町の中に作品が点在しています。しかし、今日はほとんど定休日。。

IMG_3402-001

IMG_3404-001

家浦港のレンタサイクルで電動自転車を借り、島の南にある小さな集落、甲生(こう)へと自転車を走らせました。そしてこれが大正解!
電動自転車でスイスイと岡を上がり峠を超えると、これぞ瀬戸内!と言わんばかりの海を見渡す甲生の集落が現れました。
右手に見えてきたのは、豊島で最初の作品。新潟県の十日町でも古民家を使ったインスタレーションを展示していたアーティスト、塩田千春さんの作品「遠い記憶」です。過疎化の進む農村や離島をアートで盛り上げる芸術祭のすばらしさ。それは田舎の美しい自然と、経年変化し今は失われたかつての人々の息づかいが残るモチーフが、ひとつの作品として集約されていること。廃校になった小さな小さな小学校の校庭にある錆びた遊具とヒビだらけの校舎に、島の建具で作られたトンネルを配した作品。圧倒されました。

IMG_3408-001

IMG_3412-001

甲生にて残る2作品を見終わったあと、家浦に戻り、今日宿泊する唐櫃岡集落(からとおかしゅうらく)に向かいました。最近は民泊が静かなブームのようで、ここ豊島でも民泊できるお宅があります。若い人を中心に問い合わせが増えているそうですが、今回僕は元幼稚園を改装した宿泊施設「てしま自然の家」に泊まる予約をしていました。ここは地元の自治会が管理しており、1泊2,500円と格安。管理している島のおばちゃんに施設の使い方を案内してもらったあと、しばらく雑談しました。岡山からこの島に嫁いできたこと。僕と同い年の息子さんがいること。島での暮らしのこと。ひとり旅をすると、そこで出会った人とのなにげない会話が、実は強く印象に残ったりします。そんな会話が旅の大きな思い出だとするならば、やっぱり次はもっと地元の人と触れ合える所に泊まりたい。次は民泊をしよう、そう思いました。

IMG_3449-001

IMG_3455-001

IMG_3443-001

この日は豊島の作品の多くがお休みで人が少なく、自然や作品の世界をじっくり静かに感じることができました。災い転じて福となす!しかし、島での注意点を身をもって体験しました。フェリーやバスなど移動手段の時間、食事場所、それらを逆算して最終的に宿泊施設に到着するように、計画的に動く。
予想外のことが起きるのも旅の楽しみですが、夏と秋のセトゲイでは、それらをマスターしてみたいと思います。

翌日は休館だった豊島美術館に向かいます。

次回へ続く>>



あわせて読みたい