若者を地方に!

IMG_2701

景気回復の見通しが立たず、しかも東日本大震災という大きな災害が起こったりして、多くの人が“本当に豊かな暮らしとは何か”ということをより考えるようになりました。これはさまざまなメディアを通して伝わってくる情報を見聞きしても明らかですが、まず自分という人間がそう感じているのだから、間違いないように思います。それは家族との時間を優先したいと思う気持ちの現れかもしれません。その結果ひとつの選択肢として地方へ生活の場を求める人も増えているように思います。一方で時代とともに公共投資がなくなり、目立った産業もない地方などは若い人の地元離れが止まらず、少子化が拍車をかけて衰退している地域も少なくありません。皮肉なことに、社会経験豊かな都市部の若い世代が可能性を求めて地方へ移住し、進学や就職を控えた地方の若者が地元を離れていくという現象が起きているのです。

IMG_2198

都市部よりも自然の豊かな地方で暮らしたい。その思いを地方が受け止めていくためには、地方で経済をまわして雇用を創出しなければならないわけですが、以前のようないわゆる“ハコモノ行政”ではこれからの時代、限界があるように思います。ではどうするのか。
僕はひとつのヒントとして、その土地に行きたいと思わせるような魅力を発信することがポイントのような気がします。町から人が出て行きっぱなしでは、未来は明るくないでしょう。やはり人を呼び込まなければいけません。それは田舎暮らしを目指すリタイヤ組のことではありません。まだまだ家族を養っていかなければならない世代の人が、あえて都市部での生活を捨ててまで仕事の少ない地方に移り住みたいと思わせる魅力を持たなければいけないのではないでしょうか。

僕はいまの若い世代の感覚というものに、大きな可能性を感じます。都市部で得られる利便性やトレンドよりも、地方でしか食べられない食文化や慣習に関心をもち、農業体験や島暮らしをしてみたいと思う気持ち。これは経済が右肩上がりに成長を続けている時代には、地方の若者にとって疎ましく思われてきたことかもしれません。しかし、いまの若者、とくに都市部の若者の感覚にはむしろ地方の文化や自然を欲している気さえします。

IMG_2806

そういう若い世代を呼び込むために、なにができるか。僕はIターンなどの移住者、いわゆるよそから来た人がその土地に眠る宝を発見する力があると思っています。以前にも書きましたが、岐阜県飛騨市にある「飛騨里山サイクリング」は、白壁の土蔵が建ち並ぶ古川町にあり、美しい里山の中で地元の人とふれあいながらサイクリングすることができるツアー。主催している「美ら地球(ちゅらぼし)」という会社を立ち上げたのは、飛騨という土地に惚れ込んで移住してきた人。外からお客さんがやって来て、地元の人が普段見慣れた風景の中をただ自転車で走ることに、商品価値を見出すことができる人たちのことです。そのようなソフトの魅力に若者は敏感です。すべてが用意されていて「さぁ、ここで存分に遊びなさい」という“与えられるアミューズメント”に若者は辟易しています。人とふれあい、自分たちで発見できること。そんな体験ができるなら、少ないお金をかけてでも遠い地方まで出かけて行きます。そして、その場所で素敵な思い出を持ち帰ることができれば、すぐにはムリでも5年後、10年後には移住してくるかもしれない。そんな気持ちの芽を育てることを地方は考えていくべきではないでしょうか。

僕はこれからこのテーマについても掘り下げていきたいと思い、さまざまな自治体やNPOの活動を調べていこうと思います。


あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。