田舎での仕事づくり~野菜づくりをスタート~

コーヒースタンドパルキのオープンと平行して、もうひとつの生業として、畑での野菜づくりを準備してきた。
僕の住む伊王野という地区はご近所がほとんど兼業農家なので、野菜づくりの先生がいるようなもの。今年畑をやる場所は、お隣さんの亡くなったお父さんが使っていた耕作放棄地をお借りしている。

畑にとって非常に大切な土づくりでは、酪農家さんから軽トラック一杯分のたい肥をいただき、トラクターでうなっておいた(耕すという意味)放棄地に入れる。それをしばらく放置しておくと発酵が進み、有機物が含まれたベースの土づくりが出来上がる。

そして作物を定植するために土を盛り上げる畝(うね)を作り、いよいよ野菜の苗を植えていく。
コーヒースタンドのオープンで春の野菜づくりが1か月ばかり出遅れた。
最初に植えたのは、スティックブロッコリーとズッキーニ、ジャガイモ。ズッキーニとジャガイモは去年も作ったので、作物がどんな感じで生長していき、収穫されるか検討がつく。

去年と同様に今年も無農薬での栽培を目指している。
ただ、無農薬だと虫がつくので、毎日の駆除が欠かせない。ジャガイモの生育期にはテントウムシモドキというやつがたくさん葉っぱについてしまう。見つけたらこれを潰していかなければならない。去年はこのテントウムシを指で潰すのも嫌だったが、今はもう平気でブチブチ潰せる。本当は朝昼夕の3回チェックするべきなのだが、仕事の都合上、朝と夕方しか畑に行けない。茎が太くなり、大きく株が生長してくると、あまり虫を気にしなくても葉っぱが食べつくされることはなくなってくる。

ズッキーニもしかり。どんどん生長するので、枝を間引いて栄養を分散させないようにするだけだ。ズッキーニはひと株からポコポコと実が出てくるので、かなり収量のある野菜。去年は15株くらい育てたので、正直消費するのに非常に苦労した。今年は野菜の販売を考えているので、今から収穫が楽しみ。これらの野菜は初心者でも作りやすい野菜だといえる。害虫駆除などの手入れをしっかりしておけば、農薬を使わなくても野菜を収穫することができる

無農薬野菜の栽培が大変だと初めて気づいたのは、今年からはじめたスティックブロッコリーだ。
切ってもまた芽がたくさん出てきて、収穫量が多いのはありがたいが、よく見るとアブラムシがついている。自宅で食べるなら洗って煮てしまえば、気にせず食べてしまうが、売り物はそうはいかない。たいがいの消費者からはクレームの対象になるだろう。

こうならないように農家さんは農薬を使って見た目もしっかりとした売り物の野菜を作るのだ、と思った。
「アブラムシがついてるんですが、どうしたらいいですか」と僕は農家さんに聞いた。
「見つけたらできるだけ速やかに摘んで捨て、広がらないようにする。予防はお酢を水で1000倍に薄めて霧吹きで噴霧する」とのこと。なるほど。やっぱり無農薬野菜は手間をかけなくてはいけない。

最初からいろんな野菜をやろうとしても、失敗する。失敗は大事だから経験しておくことは必要だが、やさしい野菜からはじめて、失敗と同じくらい成功体験もしておきたいなと思う。自分のやる気を持続させることも必要だからだ。
野菜づくりだけで食べていくことは簡単ではない。プロの農家さんと同じことをしようとしたら、収穫量を増やすための時間も体力も機械を買うお金も必要で、今の自分には現実的ではない。だから自分の中ではスモールビジネス。

東京にいるとき、京都の綾部市にすむ塩見直紀さんが提唱する「半農半X」というものに出会った。半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方をそう呼んでいる。その考え方にとても刺激を受けたのを覚えているが、農業をやることを考えてなかったため、当時は自分ごととしてとらえていなかった。

それが那須に来てあれよあれよという間にコーヒーショップをオープンすることになり、農業をやることになっていた。
気が付いたら、僕は「半農半コーヒー屋」になっていたのだ。今となっては塩見さんの言葉が自分にしっくりとくる。新規就農、プロの農家という、肩に力が入りそうな呼び名ではなく、半自給的な農業。そしてやりたい仕事の両立。いい響きだ。


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